#農のある暮らし

  • 【フ25002】国宝 縄文の女神のふるさとで、

    【フ25002】国宝 縄文の女神のふるさとで、

    美しさの追求は、時代の古今に関わらず存在する。最近では、男性もエステに通い、お化粧する時代になった。賛否はあるにせよ、流行りの自己肯定感の醸成には大切な要素となっている。そんな美の最高峰が出土したのが、平成4年の夏。国宝に指定されている土偶(どぐう)は、全国で4件。その一つ「縄文の女神」が出土した山形県舟形町西ノ前遺跡。縄文時代の土偶造形の一つの到達点を示す優品として代表的な土偶であり、学術的価値が極めて高いとされている。

     まさに、出土したのがこのお宅の近くである。約4500年前の女神のふるさとだ。鮎で有名な小国川から直線距離で200m。役場やコンビニ、飲食店も1㎞圏内の立地。中学校は、徒歩数分。幹線道路から少し坂を上ると、こじんまりとしたお宅が出迎えてくれた。傾斜地に立つため、道路面の基礎部分にシャッターを配置した空間がある。裏には、畑があり、近所の方が借りて野菜を栽培していた。最上地方には珍しく、小さなお宅。お手頃物件である。

     さて、舟形町は、住宅政策に余念がない。若者移住の補助金もあり、最近ではお隣の新庄市に新設された東北農林専門職大学の寮も公的に運営するなど地域をあげて支援してくれている。河川敷を利用したイベントも多い。さらに、車で数分の距離の若鮎温泉は、日帰り温泉として絶大な人気を博している。県民ゴルフ場もある。

     高い精神文化が4500年以上も紡がれてきたこの地で、暮らしてみる。鮎を食し、温泉に入り、穏やかな日々を過ごすと、女神のような美しさを手に入れられるかもしれない。あくまでも筆者個人のイメージであり、美しさを保証するものではありません。

  • 【フ25001】歴史に抱かれて

    【フ25001】歴史に抱かれて

     最上川と最上小国川が合流するあたりに舟形町富田地区がある。その昔は、猿羽根村と呼ばれたエリアである。延文5年(1360年)に、八幡太郎義家の末孫、源次郎義元の二男、源次郎義高という人が奥州よりこの地に来て、轟という所に楯を築き、その後、貞治元年(1362年)に沢口山のこの地に、楯を移した。土地の名前をとって、猿羽根播磨守源次郎義高と称し、以後、猿羽根家の居城となり、天正17年(1589年)までの227年間、七代にわたり、6700石を領していたという。

     楯や居城を構えたことから、見張るにふさわしいエリアがこの富田地区である。その眺望は、出羽富士鳥海山、霊峰月山を望み、眼下に最上川を従える。また、富田と呼ばれるだけあって、肥沃な土地柄であることも想像できる。

    高床、二階建てのこの邸宅は、その風情を今に伝える佇まいである。旗竿地のため、冬の除雪など工夫が必要ではあるものの、隣地は空き地なので解消できそうだし、そのおかげで約100万円の値引き査定がされている。高床住宅は、屋根の雪対策には大いに貢献してくれる。宅内に入ると広い玄関廊下と二階へ続く立派な階段が出迎えてくれる。家財道具はおおむね整理されており、いたみも少ない印象だ。建材を見ると在来工法の本格住宅であることが伺える。特徴は、玄関廊下から高床部分へつながる階段がある点である。宅内から地下室へ行けるというイメージだ。空間もあり、明かり採りの窓もあるので、趣味に使いたくなる。家庭菜園や園芸スペースにしてもよさげである。裏には畑もある。

    その昔、俳人松尾芭蕉が奥の細道で通った歴史を感じつつ、眺望を楽しみ、家庭菜園で収穫した農産物を食しながら過ごす。なんて素敵な生活だろう。

  • 【ト25001】創造自由空間付き物件

    【ト25001】創造自由空間付き物件

    そのお宅は、戸沢村名高(なだか)地区にある。敷地に入ると、入口脇にある樹齢60年の桜が出迎えてくれた。桜が咲くころは、工事用のライトを設置して夜桜をめでていたという。訪れたのは、梅雨時で庭のアジサイの紫が、曇天の空を照らしていた。季節を感じるには、うってつけの物件である。

    現状引渡しを希望されている物件で、ボイラーも修繕済み。和式トイレと浴室は、リフォームが必要かも知れないが、先代が建具職人をされていたこともあり、組子(くみこ)障子や襖(ふすま)は、風格を漂わせ、腕の確かな仕事を後世に残している。トータルで、すぐにでも暮らせる必要要件を満たしている。お得なのは、除雪機やケルヒャー高圧洗浄機、井戸、消雪ホースなどが付帯する。現在は、耕作されていないが家裏には畑もあり、家庭菜園には十分な広さを有している。

    イチオシポイントは、建具職人をされていた先代が作業場としていた小屋である。巨大なオープンガレージと小上がりとは言えない広さの小上がり。この広大なフリースペースは、まさに創造自由空間だ。バーベキューや屋内キャンプというイメージでは、発想の貧困と指摘されそうだ。

    愛車をめでるウイスキーバーを作るも良し。近年大漁の酒田沖本マグロを解体して皆に振る舞う釣り人酒場も良し。ゴルフネットを設置して練習場にしても良し。ターザンロープやクライミングウォールを設置するも良し。ブランコや木材アスレチックを作るも良し。私なら、組子など木工作業場に復元してみたいと思ってしまう。自己満足度が高いことは、確かだ。腕は、ないのだが、、、。

  • 【ト25002】母なる川のほとりで、

    【ト25002】母なる川のほとりで、

    そのお宅は、山形県の母なる川、最上川のほとりにある。国道47号線に面し、緩やかな斜面をのぼると宅内に入る。以前は庭だったという左の斜面は、小さな池にヒツジ草が浮き、畑の跡地にはフキやウドが生えていた。耕起すれば立派な畑に再生するだろう。イチオシポイントは、裏山の竹林。風除けの意味があるという説明だったが、何より春にはタケノコが採れる。新鮮なので刺身がいいかな。いや、孟宗汁が美味いだろう。山形では、孟宗竹に酒粕を入れた味噌仕立ての汁物、孟宗汁を春の風物詩としていただくことが多い。これをすすりながら一献、などと思いを巡らして幸せ気分に浸ってみた。

    お宅に入ると10年ほど前にリフォームした一階は、ウッディな空間に生まれ変わり、晩酌の時間も楽しくなりそうな雰囲気。水回りもきれいにされている。二階には、二部屋。子育て世代にも十分な家である。月に数回訪れているという家主は、管理に余念がない。畑の草刈りも定期的に行っている。そのせいか、ダイニングにはお酒の瓶が数本並んでいた。管理作業を終えての一献は格別なのだろう。

    さて、畑や竹林は、土壌が大切である。土に愛を込めて手を加えると土壌になる。お米に手を加えると、醸されておいしいお酒になる。人が手をかけることですばらしいものになる。空き家も手をかけているからこそ維持されている。もう一つ加えると、子育てで女の子に愛情かけると、そう、お嬢様になるんだよなぁ。

    では、母なる川のほとりで、お嬢様を育むのは、いずこのお方かな。美味しいお酒をいただきながら待つとしよう。

  • 【サ25002】市川○○○になってみましょうか

    【サ25002】市川○○○になってみましょうか

    山形県最上地域で移住者が一番多く住んでいるエリアが、鮭川村京塚地区。県の内外を問わない移住人気。私の出身の鮭川村だからと、見栄を張っているわけではない。閑静で暮らしやすいという声と地域の元気がある点が評価されているのだ。

    まずは、暮しやすさのポイント。幹線道路から少し入ったところにあり、隣家は数十メートル離れているので騒音もない。買い物や病院などは、新庄市・真室川町へ10分程度。日々の暮らしは、ローカルコンビニや郵便局、ラーメン店(夜はお酒も提供)、サッカーグラウンド、体育館など、すべて徒歩圏内。もちろん、移住者に慣れている地域の世話焼きは不安を払拭してくれるし、防犯や子どもの見守りも地域全体で睨みを利かせている。

    地域に元気がある理由は、歴史に起因する。なんと言っても鮭川歌舞伎が素晴らしい。300年近い歴史の田舎歌舞伎で、イケメン後継者がたくさん在籍している。関東方面からの根強いファンも多く、定期公演は、観客が会場をあふれるほどだ。地元の小学生も役者として出演する。役者になると、市川の名が頂けるのは大きな魅力だ。

    今回ご紹介のお宅は、隣家が離れているので、音を出しても大丈夫。音楽好きや仲間とワイワイ好きな方、バーベキュー好きな方、自由度の高いお宅だ。あれ、移住して、歌舞伎役者になって、大声で練習して、大見得切るのも楽しい。睨みも利いて、家内安全・身体堅固・大願成就も間違いない、かも。

  • 【サ24002】土間のある暮らし

    【サ24002】土間のある暮らし

    脳と腸の密接な関係が解明されて、腸の働きが活性化されると健康に良いという、いわゆる「腸活(ちょうかつ)」が取りざたされている。腸と食物繊維とアレルギーの因果関係までも解明され、注目を浴びている。腸活で効果的なのがキノコだ。全国有数のキノコ産地、鮭川村。新鮮キノコが安いので地元の産直も繁盛している。

    その鮭川村は、空き家バンク問合せに空き家が足りていない。そして、この度掘り出し物件登場、清流鮭川のほとりにある土間のある家。先日までは賃貸物件だったとのこと。芸術家さんが借りていた。活用アイディアは無限にある。家の前に畑と車庫・倉庫もあるので農業も楽しめる。アレルギーのお子さんがいたら、野菜づくりやキノコをたくさん使った食生活の改善も望める。土間は、そんな暮らしをサポートもしてくれる便利空間だ。

    この村には、先輩移住者もおり、2024年に移住されたご家族は、なるべく山奥のほうを探して移住してきた。県や村から数百万円の支援があったとのことで、住宅改修にも役立ったとのこと。そんな方々は、キャンプ場で働いてたり、レストランを開業したり、議員さんになった方もいらっしゃる。

    新たな住民の働きで地域を活性化してみてはいかがか。もちろん、鮭川村に住むのだから、キノコで腸の活性化も。

  • 【カ24001】歴史を紡ぐ、蔵のある暮らし

    【カ24001】歴史を紡ぐ、蔵のある暮らし

    金山の地に建つこと90年。昭和10年に生まれた歴史的な住宅です。南京下見張の外壁が歴史を感じさせてくれます。中に入ると、すぐ左にはフローリングの小さな個室があります。1人で集中して作業できそうな部屋となっており、まるで昭和の文豪が住んでいたかのような佇まいです。

    また、この物件には、母屋から続く2階建ての蔵もあります。2階の床には杉板が使用されており、木のぬくもりを感じることができます。窓があるため日は差し込むものの、薄暗いため、自分好みの灯りをともして読書をするのも良し、地図を広げて旅の計画を立てるのも良し。暮らしのイメージを膨らませてくれます。

    住宅の前には国道13号線が通っているため、市街地へのアクセスが良い立地です。住宅の近くにある畑は5.8aあり、農業を始めたい方におすすめ。また、敷地内には柿の木やザクロの木もあり、住宅周囲にある畑や木々などとともに季節の移ろいを感じることができます。