そのお宅は、山形県の母なる川、最上川のほとりにある。国道47号線に面し、緩やかな斜面をのぼると宅内に入る。以前は庭だったという左の斜面は、小さな池にヒツジ草が浮き、畑の跡地にはフキやウドが生えていた。耕起すれば立派な畑に再生するだろう。イチオシポイントは、裏山の竹林。風除けの意味があるという説明だったが、何より春にはタケノコが採れる。新鮮なので刺身がいいかな。いや、孟宗汁が美味いだろう。山形では、孟宗竹に酒粕を入れた味噌仕立ての汁物、孟宗汁を春の風物詩としていただくことが多い。これをすすりながら一献、などと思いを巡らして幸せ気分に浸ってみた。
お宅に入ると10年ほど前にリフォームした一階は、ウッディな空間に生まれ変わり、晩酌の時間も楽しくなりそうな雰囲気。水回りもきれいにされている。二階には、二部屋。子育て世代にも十分な家である。月に数回訪れているという家主は、管理に余念がない。畑の草刈りも定期的に行っている。そのせいか、ダイニングにはお酒の瓶が数本並んでいた。管理作業を終えての一献は格別なのだろう。
さて、畑や竹林は、土壌が大切である。土に愛を込めて手を加えると土壌になる。お米に手を加えると、醸されておいしいお酒になる。人が手をかけることですばらしいものになる。空き家も手をかけているからこそ維持されている。もう一つ加えると、子育てで女の子に愛情かけると、そう、お嬢様になるんだよなぁ。
では、母なる川のほとりで、お嬢様を育むのは、いずこのお方かな。美味しいお酒をいただきながら待つとしよう。
PROPERTY INFO
物件情報
【ト25002】母なる川のほとりで、
戸沢村
280万円(応相談)