解剖学者の養老孟司は、首都圏の一極集中を憂いていた。南海トラフや首都直下型地震でも起きないと皆さん気づかないでしょ、と言う。確かに、南海トラフ地震の発生確率が格段に上がっている。そんな養老先生は、いろんな壁の存在を提起されている。2003年作『バカの壁』を筆頭に、『死の壁』(2004年)、『自分の壁』(2014年)、『ヒトの壁』(2021年)、『人生の壁』(2024年)など。根底には、その社会の生きづらさが垣間見える。なので、箱根の別荘で昆虫標本づくりをして自己実現されている。私も先生と何度か最上地域の昆虫採集に同行させていただき、田舎のすばらしさを教示されたことがあった。
先生の本を読んでいると移住の問合せがあった。最上地域で一番の人気エリアはどこ?との質問。村で暮らしたいという要望。地域の方々とゆったり触れ合いたいという田舎暮らしイメージ。ザ、田舎暮らしを叶えてくれるのが戸沢村角川エリア。地域づくり活動は歴史も深く、面倒見の良い方も多いエリアなので地域に溶け込めやすい。
春の萌黄色に染まる山々、夏のホタルの淡い光、秋の燃える紅葉、そして雪景色、どれを取っても日本の原風景しかない角川に風情のある家がある。木造二階建て、山水を庭にひいて利用もしている。日本昔ばなしの世界に入り込んでしまったかのような暮らしがそこにある。二階も広く、昔の旅籠のような雰囲気だ。二階から外を眺めるだけで幸せになれますよ、と主は言う。
最近では、狩猟を目的に移住を考えている方がいる。ここは、そんな方にオススメだ。お宅に伺うと、近くの田んぼで寛ぐニホンザルが意を介さず落穂を食べていた。
地域に溶け込む壁も、自然との壁もないエリア。戸沢村角川だ。