#山が見える

  • 小杉の大杉の懐に抱かれて

    小杉の大杉の懐に抱かれて

    スタジオジブリの名作「となりのトトロ」、愛くるしいキャラクターと主人公たちの心温まるストーリーが老若男女を問わず人気の作品だ。このトトロに似た木があるということで注目を浴びたのが、鮭川村小杉地区にある杉の巨木だ。小杉の大杉、夫婦杉などと呼ばれているが、それ以降「トトロの木」として有名になり観光スポットにもなっている。あまりにも有名になり、困惑したのが村の広報担当者。勝手に「トトロ」の名称を使用しても良いものかと。悩んだ末に、ジブリに電話して確認したという。莫大な商標登録使用料を請求される可能性もある。ジブリの回答は、「皆さんが親しみを込めて呼んでいただけるのはうれしいことですね。」と。むしろ激励されたという。懐の深さに敬服したと広報担当者は語っていた。

    「トトロの木」は、元々2本あったので夫婦杉と呼ばれていた地域のご神木。1本を殿様が“いいね”をして献上させたとの伝説で、現在は1本になった。根本には社もあり、いつもお賽銭箱が盗まれている。地域の方たちも、あまりこだわらず対策もゆるい。最近では、地元のお母さん達がキッチンカーを出して観光客と触れ合って楽しんでいる。ある日、困り果てた青年がいたとのこと。バスも1日2本しかこないのに夕刻にトトロの木に佇んでいたのだ。地区のお父さんが話を聞いて、自宅に泊め、翌日は急ぎで帰らなければならない青年のために隣の県まで車で送っていったとのこと。なんと、懐の深いお父さんだ。

    実は、このお父さん、地区に1軒ある空き家の活用を話し合う懇談会では、移住者が入ったらどうか?との質問に、けげんな表情を浮かべていた。おそらくは、初対面のプレッシャーに弱いだけで馴染むと面倒見の良いお父さんになるのだ。純朴で照れ屋のお父さん、嫌いじゃない。

    小杉の大杉の懐に抱かれて暮らしてみるのも良き人生だ。あのお父さんも、老若男女に人気があるに違いない。

  • 【津谷】「やっちゃおうぜ」

    【津谷】「やっちゃおうぜ」

    国で地方再生が叫ばれ10年以上がすぎた。何事にも奥手な最上地域の自治体は、あまり実績を積んでいない。良し悪しは別として、再生の難しさは一級品だ。インバウンドなんか、ほとんど関係ない。そんな最上地域でも、各市町村の中心部はそれなりに人の暮らしも店もある。

    戸沢村津谷地区。近所には、コンビニやスーパー、郵便局がある。少し歩くと、JR奥羽東線津谷駅もある。喧噪に満ちていそうだが、その家は、本通りから少し入った行き止まりの道路わきにある。家の前は、草が生い茂り、畑だった面影が少し残る程度。クサギカメムシが玄関でお出迎え。

    その平屋は、4つの部屋が縦に連なり、簡単な構造だ。大きくない。あれっ?自分でできそうじゃない?そうDIYだ。インスタで少しずつ発信するのも悪くない。でも、素人では難しいかなって思ってみたり。あっ!スゴ腕大工さんがいるじゃないか。アドバイス体制も安価で整ってる。材料費は、戸沢村の住宅リフォーム支援を活用する。そんなことを一瞬で考えさせてくれる平屋である。

    DIYのその後は、、、足元から。そう、畑の再生だ。天皇陛下がおかわりをしたサクランボを生産していた土壌のプロがアドバイスする予定だ。

  • 【角川】「原風景と暮らす」

    【角川】「原風景と暮らす」

    解剖学者の養老孟司は、首都圏の一極集中を憂いていた。南海トラフや首都直下型地震でも起きないと皆さん気づかないでしょ、と言う。確かに、南海トラフ地震の発生確率が格段に上がっている。そんな養老先生は、いろんな壁の存在を提起されている。2003年作『バカの壁』を筆頭に、『死の壁』(2004年)、『自分の壁』(2014年)、『ヒトの壁』(2021年)、『人生の壁』(2024年)など。根底には、その社会の生きづらさが垣間見える。なので、箱根の別荘で昆虫標本づくりをして自己実現されている。私も先生と何度か最上地域の昆虫採集に同行させていただき、田舎のすばらしさを教示されたことがあった。

    先生の本を読んでいると移住の問合せがあった。最上地域で一番の人気エリアはどこ?との質問。村で暮らしたいという要望。地域の方々とゆったり触れ合いたいという田舎暮らしイメージ。ザ、田舎暮らしを叶えてくれるのが戸沢村角川エリア。地域づくり活動は歴史も深く、面倒見の良い方も多いエリアなので地域に溶け込めやすい。

    春の萌黄色に染まる山々、夏のホタルの淡い光、秋の燃える紅葉、そして雪景色、どれを取っても日本の原風景しかない角川に風情のある家がある。木造二階建て、山水を庭にひいて利用もしている。日本昔ばなしの世界に入り込んでしまったかのような暮らしがそこにある。二階も広く、昔の旅籠のような雰囲気だ。二階から外を眺めるだけで幸せになれますよ、と主は言う。

    最近では、狩猟を目的に移住を考えている方がいる。ここは、そんな方にオススメだ。お宅に伺うと、近くの田んぼで寛ぐニホンザルが意を介さず落穂を食べていた。

    地域に溶け込む壁も、自然との壁もないエリア。戸沢村角川だ。

  • 土間のある暮らし

    土間のある暮らし

    脳と腸の密接な関係が解明されて、腸の働きが活性化されると健康に良いという、いわゆる「腸活(ちょうかつ)」が取りざたされている。腸と食物繊維とアレルギーの因果関係までも解明され、注目を浴びている。腸活で効果的なのがキノコだ。全国有数のキノコ産地、鮭川村。新鮮キノコが安いので地元の産直も繁盛している。

    その鮭川村は、空き家バンク問合せに空き家が足りていない。そして、この度掘り出し物件登場、清流鮭川のほとりにある土間のある家。先日までは賃貸物件だったとのこと。芸術家さんが借りていた。活用アイディアは無限にある。家の前に畑と車庫・倉庫もあるので農業も楽しめる。アレルギーのお子さんがいたら、野菜づくりやキノコをたくさん使った食生活の改善も望める。土間は、そんな暮らしをサポートもしてくれる便利空間だ。

    この村には、先輩移住者もおり、2024年に移住されたご家族は、なるべく山奥のほうを探して移住してきた。県や村から数百万円の支援があったとのことで、住宅改修にも役立ったとのこと。そんな方々は、キャンプ場で働いてたり、レストランを開業したり、議員さんになった方もいらっしゃる。

    新たな住民の働きで地域を活性化してみてはいかがか。もちろん、鮭川村に住むのだから、キノコで腸の活性化も。

  • 高台の家

    高台の家

    慶長5(1600)年9月15日、関ヶ原の戦いのまさにその日、「北の関ケ原」と呼ばれる長谷堂城の戦いがあった。この戦いの中心に、その男がいた。鮭延越前守秀綱である。この時の秀綱の戦いぶりには、相手方(西軍)の大将、直江兼続に「鮭延が武勇、信玄・謙信にも覚えなし」と言わしめている。秀綱は、のちに愛綱(ちかつな)とも名乗り、家臣からの信望も厚い。NHK大河ドラマ「独眼竜政宗」の原作者、海音寺潮五郎の短編「乞食大名」でその生涯が記されている。感動の秀作である。思えば、徳川家が新たな時代を創造した影の立役者の一人である。

    秀綱の居城のあった地が、ここ真室川町の高台だ。出羽富士、鳥海山を望むその高台に、この家は建っている。家の裏からの眺望はこの上ない。管理者からも自慢された。ただし、傾斜地立地のせいか、経年劣化によるものか、基礎に小さなクラックが見えた。宅内に入ると、まだ生活しているかのように物が置かれている。ご自由にお使い下さいとのこと。1階の洋室には壁一面に鏡が埋め込まれている。テープで補修はされていたが、ダンス、ヨガ、筋トレなど、自己欲求を満たす空間だ。近くの運動公園は、天然芝グラウンドやテニスコート、球場、トレーニング施設がある。部屋数豊富で、想像しだいで、可能性の広がる物件である。

    一国一城の主の気分を味わいつつ、あなたの人生の新たな時代を創造してみてはいかがだろうか。

  • 職住一体の暮らし

    職住一体の暮らし

    ♪わた~しゃ~真室川の梅の花 コーオリャ♪の民謡「真室川音頭」。一度は聴いたことがあるのではないだろうか。女性が梅の花で、そこに訪れるウグイスを男性にみたてた13番まである艶歌(つやうた)だ。1番では、♪つぼみのうちから通ってくる♪なんて、現代ではコンプラ違反だ。そのあとの掛け声は、♪ハァドントコイドントコイ♪ まいった。

    そんな真室川町で面白物件登場!JR奥羽本線「真室川駅」から徒歩3分のお宅。ドラッグストアやスーパー、役所も近くて便利な街中物件。本宅は、部屋数が多い最上地域的住宅だ。雰囲気は、ザ、昭和。そして、特徴は、なんと言っても本宅のお隣にカラオケスナックがある。現在は、賃貸しているが、ご希望ならば、カラオケスナックのオーナーになることも夢でなない。

    もちろん、カフェや飲食店経営も可。夜のカラオケスナックの実績があるので、ご近所の騒音問題などもクリアしている。ご自身で演奏しても、大人の部活と称してバンドを組んでも、ご家族でお子様とバンドを組んでも、なんでもありだ。 ♪ハァドントコイドントコイ♪

  • 温泉街で新しいこと始めよう

    温泉街で新しいこと始めよう

    最上町赤倉温泉エリアは、国民体育祭スキー競技会場にもなったスキー場の麓にある。ここで見つけたのが、店舗兼住宅として使われていたお宅。主は、現在別邸に住み、日帰り温泉の支配人をしている。元カメラマンのダンディーだ。地域づくりにも貢献しており、赤倉温泉エリアを元気にしたいという思いが強い。近くには、カフェを始めた移住者で移住コーディネーターもしている素敵な女性が活躍していたり、面白い方々が暮らしている。

    伝説によれば、慈覚大師円仁(794年―864年)が山寺立石寺を開山した3年後の奥羽地方巡の折に今の赤倉温泉にあたる地域を訪れた。その際、地元の村人が小国川の水で傷を負った馬を癒している姿を見た円仁が、手にした「錫杖(しゃくじょう)」で川底を突くと石の間から薬湯が湧き出たと言われている。

    さて、このお宅、店舗跡の活用が楽しそうだ。ガレージにして愛車を眺めたり、もちろん店舗としても使える。名物料理を考案して、開業してもいい。スキー好きの集いの場にしても楽しそうだ。DIYもやり放題で、町のリフォーム支援なども活用したい。

    一人がスキーのストックで雪面を突いても何も出ないかもしれないが、多くの方で突いてみると、面白い元気が湧いてくるかも知れない。

  • 歴史を紡ぐ、蔵のある暮らし

    歴史を紡ぐ、蔵のある暮らし

    金山の地に建つこと90年。昭和10年に生まれた歴史的な住宅です。南京下見張の外壁が歴史を感じさせてくれます。中に入ると、すぐ左にはフローリングの小さな個室があります。1人で集中して作業できそうな部屋となっており、まるで昭和の文豪が住んでいたかのような佇まいです。

    また、この物件には、母屋から続く2階建ての蔵もあります。2階の床には杉板が使用されており、木のぬくもりを感じることができます。窓があるため日は差し込むものの、薄暗いため、自分好みの灯りをともして読書をするのも良し、地図を広げて旅の計画を立てるのも良し。暮らしのイメージを膨らませてくれます。

    住宅の前には国道13号線が通っているため、市街地へのアクセスが良い立地です。住宅の近くにある畑は5.8aあり、農業を始めたい方におすすめ。また、敷地内には柿の木やザクロの木もあり、住宅周囲にある畑や木々などとともに季節の移ろいを感じることができます。

  • 離れがある暮らし

    離れがある暮らし

    この家の前で車を降りると、道向かいの林から朝日がこちらを差していた。4~5世紀の中国、魏晋南北朝時代の隠逸詩人、陶淵明(とうえんめい)の世界観を思い出さずにはいられない。朝廷からの招聘もこばみ、隠棲生活を送りながら田園で詩をつくり、第二の人生を謳歌している。「尋陽(じんよう)の三隠」と称された一人で、いわゆる晴耕雨読の生活を主題とする一連の作品は、同時代および後世の人々から理想の隠逸生活の体現として高い評価を得た。

    まさに、この家は、第二の人生を謳歌するために用意されたと言える。新庄盆地を形作る山々に囲まれ、眼前は開けた田園。二階建ての離れは、詩や散文、そんな創作意欲を黙らせてはくれない存在だ。

    本宅に足を踏み入れると、落ち着いた和の雰囲気が出迎えてくれる。玄関廊下が広い。リフォームの構想が頭にちらつきつつ、宅内を巡った。なんと、和室が1・2階合わせて7部屋もある。大リビングにしてもよいだろう。雪国の薪ストーブ生活も楽しめそうだ。

    気になる雪対策は、いまでは法的に難しい高床住宅なので安心材料。安心といえば、隣家のおじさんも気さくで親しみやすい方であった。少し世話焼きぐらいの地域の方がいらっしゃるほうが田舎暮らしには合っている。さて、「新庄の三隠」になるのは、いずこの方か。楽しみだ。