まだ、暑さの残る秋晴れの午後に訪れた鮭川村の山間部にある古民家空き家。2年ほど前までは、地域のお母さん達が田舎料理を提供するレストランとして活用していた。幹線道路から斜面を登り一番上に佇む古民家は、威風堂々とした姿で鎮座していた。正確な築年数は、不明とのことだが、百年以上の歴史的建造物であることは間違いない。玄関土間に入り、右手に囲炉裏のある座敷がある。その奥には、一段高くなった奥座敷が二間。その昔、この地を治めた立派な方がお住まいになっていたのだろう。15センチメートル程の段差がとても高く感じたのは、先祖が小作農家出身という小生のルーツに起因するのだろうなどと思いながら、その座敷に上がってみた。なにやら気分がいいもので、自信が満ち、笑みが浮かんだ。さて、厨房へと歩みを進め、その広さにも驚く。大勢のお客様をもてなしていたのだろう。住むことを考えると便所が汲み取り、浴室が狭いという難点もあるが、余りある素晴らしさが、リフォーム意欲を掻き立ててくれる。
母屋の裏手には、トタンで囲まれた蔵があった。今は開かずの蔵だというが、トタンの端から見える蔵はその素晴らしさを垣間見せていた。現在の家主に蔵の鍵のことを聞くと、「どこかにあるだろう」というのだが、空き家対策を講じている小生としては、これにより蔵の査定ができないので勿体ない気もしつつ、購入者のサプライズプレゼントになるかも知れないなどと前向きな考えで話題を変えた。
この地を調べると八幡太郎義家(源義家)が前九年の役(1051年〜1062年)で籠もったと伝えられている源氏楯から見下ろす位置にある。長く人々の生活が営まれた地域でることが伺える。なるほど、古民家も威風堂々としているわけだ。この古民家で、田舎料理を作るのも良し、本格フレンチを作るも良し、隠遁生活拠点にするも良し、利活用の夢は膨らむ。威風堂々たる古民家を目にすれば、多少の不安は、満ちた自信で打ち消されるだろう。ぜひ一度、ご覧いただきたい古民家空き家である。
PROPERTY INFO
物件情報
【サ25003】夢がふくらむ古民家
鮭川村
250万円