スタジオジブリの名作「となりのトトロ」、愛くるしいキャラクターと主人公たちの心温まるストーリーが老若男女を問わず人気の作品だ。このトトロに似た木があるということで注目を浴びたのが、鮭川村小杉地区にある杉の巨木だ。小杉の大杉、夫婦杉などと呼ばれているが、それ以降「トトロの木」として有名になり観光スポットにもなっている。あまりにも有名になり、困惑したのが村の広報担当者。勝手に「トトロ」の名称を使用しても良いものかと。悩んだ末に、ジブリに電話して確認したという。莫大な商標登録使用料を請求される可能性もある。ジブリの回答は、「皆さんが親しみを込めて呼んでいただけるのはうれしいことですね。」と。むしろ激励されたという。懐の深さに敬服したと広報担当者は語っていた。
「トトロの木」は、元々2本あったので夫婦杉と呼ばれていた地域のご神木。1本を殿様が“いいね”をして献上させたとの伝説で、現在は1本になった。根本には社もあり、いつもお賽銭箱が盗まれている。地域の方たちも、あまりこだわらず対策もゆるい。最近では、地元のお母さん達がキッチンカーを出して観光客と触れ合って楽しんでいる。ある日、困り果てた青年がいたとのこと。バスも1日2本しかこないのに夕刻にトトロの木に佇んでいたのだ。地区のお父さんが話を聞いて、自宅に泊め、翌日は急ぎで帰らなければならない青年のために隣の県まで車で送っていったとのこと。なんと、懐の深いお父さんだ。
実は、このお父さん、地区に1軒ある空き家の活用を話し合う懇談会では、移住者が入ったらどうか?との質問に、けげんな表情を浮かべていた。おそらくは、初対面のプレッシャーに弱いだけで馴染むと面倒見の良いお父さんになるのだ。純朴で照れ屋のお父さん、嫌いじゃない。
小杉の大杉の懐に抱かれて暮らしてみるのも良き人生だ。あのお父さんも、老若男女に人気があるに違いない。